近年,消費者問題に関する相談件数は激増し,高止まりの状態が続いています。その原因の1つとして,消費者と事業者間の情報の質や量,交渉力の格差が拡大し,トラブルの解決が消費者個人の力では困難になったことがあげられます。
こうした状況に対処するため,平成13年に消費者契約法が施行され,平成16年には消費者基本法が大改正され,消費者の権利が明記されるに至りました。
さらには,平成19年に消費者団体訴訟制度が消費者契約法により創設されました。消費者被害が起きてから事後的に,その1件1件を個別に救済していくやり方では,被害の発生やその拡大を防ぐのに限界があるため,事業者の不当な勧誘や不当な契約条項といった,「不当な行為そのもの」の差止めを消費者団体が請求できるようにした制度です。
平成24年には消費者教育推進法が施行され,個々の消費者が「消費者市民社会」の一員として主体的に行動し,事業者や行政に働きかけていくことが期待されています。消費者団体訴訟制度の活用も,こうした「消費者市民社会」の実現のために重要な制度の一つといえます。
ところで,消費者団体訴訟制度により差止め請求を行うためには,内閣総理大臣が認定した「適格消費者団体」であることが必要とされます。すでに全国において14の適格消費者団体が認定され,関東地方でも東京都や埼玉県などで具体的な活動が進められてきました。
この度,私たちの千葉県においても,県内の消費者団体,消費生活相談員,学識経験者,弁護士や司法書士などが結集して,適格消費者団体の認定を目指して「消費者市民サポートちば」を設立することとしました。適格消費者団体の認定を受けるためには,特定非営利活動法人又は一般社団法人若しくは一般財団法人であることが要件とされているため,「消費者市民サポートちば」も特定非営利活動法人の認証を受ける所存です。
私たちは,平成28年5月,適格消費者団体を目指す会の準備会を発足させ,その後も定期的に会議や勉強会を開催し,現在に至っています。
今後も当団体は,関係諸機関との情報交換や協働等の連携を図りつつ,適格消費者団体の認定を得て消費者団体訴訟制度の活用を行うとともに,消費者問題に関する情報収集及び提供,普及啓発活動を通じ,消費者被害の防止及び救済のための活動,消費者市民教育並びにその活動支援,その他不特定多数の消費者の利益の保護と消費者の権利の確立を図る活動を行うことで,千葉県内の消費者が安心して生活できる社会の構築と地域経済の健全な発展に寄与していく所存です。
平成27年度 | 「適格消費者団体対策部会」設置 |
平成27年9月30日 | 初の部会開催 |
平成27年10月16日 | 生協連と協議 |
平成27年11月9日 | 生協連・千葉県と協議 |
平成27年11月10日 | 部会 |
平成27年12月12日 | 新潟シンポに参加 |
平成28年1月5日 | 部会 |
平成28年1月13日 | 設立をめざす会の準備会 |
平成28年2月13日 | 長野シンポに参加 |
平成28年2月14日 | 適格を目指す団体の分科会に参加(埼玉) |
平成28年2月17日 | 部会 |
平成28年3月2日 | 部会 |
平成28年3月9日 | 設立をめざす会の準備会 |
平成28年4月11日 | 設立をめざす会の準備会 |
平成28年4月28日 | 設立をめざす会の準備会 |
平成28年5月15日 | 結成集会 |
平成28年5月24日 | サポ・ちば会議&検討会 |
平成28年6月17日 | サポ・ちば会議&検討会 |
平成28年6月30日 | サポ・ちば会議&検討会 |
平成28年7月28日 | サポ・ちば会議&検討会 |
平成28年8月22日 | サポ・ちば会議(NPO申請に向けて) |
平成28年8月31日 | サポ・ちば会議&検討会 |
平成28年9月10日 | 適格消費者団体連絡協議会参加 |
平成28年9月12日 | サポ・ちば会議(NPO申請に向けて) |
平成28年9月29日 | 埼玉県消費者被害をなくす会視察 |
平成28年10月5日 | サポ・ちば会議&検討会 |
平成28年10月12日 | サポ・ちば会議(NPO申請に向けて) |
平成28年10月27日 | サポ・ちば会議(NPO申請に向けて) |
平成28年11月21日 | 消費者被害防止ネットワーク東海視察 |
平成28年11月4日 | サポ・ちば設立総会 |
平成28年11月28日 | サポ・ちば会議&検討会 |
平成28年12月16日 | サポ・ちば会議&検討会 |
平成28年12月20日 | 特定非営利活動法人消費者市民サポートちば設立 |
平成29年1月12日 | サポ・ちば理事会&検討委員会 |
平成29年2月2日 | サポ・ちば理事会&検討委員会 |
平成29年2月28日 | サポ・ちば理事会&検討委員会 |